
手が黄色いけど大丈夫?
と、小さい頃よく言われました。小学生の頃は、同級生の中でもダントツに手が黄色かったと思います。
手が黄色くなるのはなぜ?
結論からいうと「柑皮症」です。「かんぴしょう」と読みます。
みかんに含まれる「β-クリプトキサンチン」はカロテノイドという成分の1種だというのは、以前お話しました。(参照:ミカンの栄養価と効果)
カロテノイドには人参に多く含まれる「α-カロテン」やトマトに含まれる「リコピン」などの種類があります。
β-クリプトキサンチンは、温州みかんの他にオレンジやグレープフルーツにも含まれていますが、その量はごくわずかです。対して温州みかんに含まれている量は、オレンジの約10倍だそうです。
このカロテノイドという色素が体内に蓄積し、皮膚の角質層に沈着するため、角質の多い手の平や足の裏が黄色くなります。

黄疸じゃない?
と言う人もいますが、これが「柑皮症」です。黄疸ではありません。肌が黄色くなる点は共通していますが、柑皮症は目の白い部分が黄色くはなりません。
柑皮症は特に治療をする必要はありません。食べるのを控えると徐々に色は落ちていきます。
β-クリプトキサンチンという成分は、柑皮症になる以外に、骨粗しょう症の予防や癌の予防、糖尿病リスクの低減に役立つ可能性があるという結果が農研機構果樹研究所の研究で明らかになっています。
果物は糖尿病の原因になる?

果物は糖尿病の原因になるんじゃない?
「果物は甘い」だから糖尿病の原因になるのではないか…と思われがちです。しかも、果物に入っている糖は「果糖」という名前までついているため、糖尿病と果物を結び付けがちです。
では、糖尿病の原因を知っていますか?
大ざっぱにいえば、「糖」とは炭水化物のことです。ご飯、パン、麺類には「糖」がたくさん含まれています。
「糖」は小腸から吸収されて血管の中に入ります。→ブドウ糖となり血糖値を上げます。→インスリンというホルモンにより「糖」をエネルギーに変換します。→血糖値が下がります。
インスリンが出ないと血糖値を下げることができず、糖尿病を患います。
この時の「糖」はブドウ糖であり、果糖ではありません。果糖も体内でブドウ糖になり、血糖値を上げますが、ブドウ糖より弱く糖尿病の原因になるとは言えません。
逆にβ-クリプトキサンチンが糖尿病リスクの低減に役立つ可能性があるため、適量であれば、果物の摂取は病気の予防に有益です。
まとめ
① 手が黄色くなる症状を「柑皮症」と言います。病気ではなく、特に治療をする必要はありません。食べるのを控えると徐々に色は落ちていきます。
もし、食べるのを控えても色が落ちない、白目が黄色いなどの症状がある場合は黄疸や糖尿病の可能性があります。病院に行くことをお勧めします。
② ミカンが糖尿病の原因にはなりませんが、何にでも適量というものがあります。過剰に食べると肥満にも糖尿病の要因にもなりかねます。厚生労働省のデータでは、普通サイズのミカンであれば1日2個が適量とされています。食べ過ぎにはご注意ください。



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