愛媛県宇和島市吉田町で夫と共にミカンを栽培しているちえみかん🍊です。

草生栽培をやってみようと思う
と園主の夫から宣言されました。草を大事にするそうです。2年前から野菜の栽培を始めた夫は、如何に土が大切か学んだようです。
その土を大切にするために草を大事にするそうです。

ん~草生栽培ってそんなに良いの?なんか大変そう…
草生栽培はなぜ良いのか?
そこで、草生栽培について調べてみました。
① 地表面を草で覆うように管理することで、土壌を保護し、乾燥を防ぎます。
② 雨が直接土壌にあたらないことから雨の衝撃をやわらげ、土砂の流出を防ぎます。
③ 微生物の活動が活発になり、土壌の環境が改善します。
④ 除草剤等の使用を減らすことにより、環境に良いです。
西日本豪雨を覚えていますか?
最近のミカン栽培は自然の影響を受け、本当に農家としてやっていくのが困難な状態にあります。
愛媛県宇和島市吉田町は、西日本豪雨の被災地です。あの災害で吉田町の斜面崩壊が起こったのは、なんと2271カ所だったと言われています。ありとあらゆるミカン畑の斜面が崩れていました。当園の園地も例外ではありませんでした。もちろんミカン畑が斜面であり、崩壊しやすい地形だということが前提ですが、私は近年の除草剤の使用の影響も大きいと思います。除草は草刈りをするか除草剤を撒くかの2択ですが、今はほとんどの農家が除草剤を取り入れています。炎天下の中1カ月に1度草刈りをするよりも、除草剤を撒いた方が楽なのは事実です。除草剤を撒くと2カ月ほどは除草をしなくても良いからです。
他県で暮らしている息子に「今どき草刈り?今は除草剤で」と言った同級生がいたそうです。息子は会社員なので反論することなく聞いたそうですが・・・
除草剤が悪いわけではありません。正直私も楽がしたいです。除草剤が土に影響を与えることは無いとは聞きますが、除草剤を頻繁に使用している園地の土を見るとサラサラで崩れやすくなっていたり、逆に土がカチカチになっているように思います。
これは土壌の微生物の種類や量に変化があったからではないでしょうか?
昨年のミカンの不作
2024年の愛媛県の収穫量は驚くほど少なかったんです。農林水産省の発表によると、前年に比べ32%も減少したそうです。
全国で最も収穫量が多かったのが和歌山県、2位静岡県、3位愛媛県でした。近年2位が定位置だった愛媛県ですが、4年ぶりに3位に転落してしまいました。
ミカン農家を継いで23年と9カ月、当園もこれほど少ない年は経験がありません。当園の収穫量は通年の3分の1ほどしかありませんでした。
要因は
① 高温・干ばつによる実の落下
ミカンの樹が自らの樹を守るために、実を落とした(自然落下)のではないかと考えます。
② カメムシの増加による実の落下
前年の暖冬によりカメムシが越冬したことで増加したと考えます。カメムシが吸った実は硬くなり
腐って腐って落下します。
③ イノシシの被害
イノシシは土壌を掘り返し、枝を折ったり樹自体をダメにします。
などが私が考える要因です。
草生栽培をする
私の役目は樹の幹の草を倒すことです。

樹に草がかからないように、樹の幹の草を倒して

え~2度手間じゃない?草刈りした方が早いのでは?…
と思ってしまいました。 (笑)
園地全体の草を倒すのは難しいので出来る範囲の草を倒し、残った草は頭をはねるくらいに刈ります。
頭をはねるくらいの草刈りだと、草が伸びるのも早いです。全園倒したと思ったら、また初めの園地に戻って倒すを繰り返しています。
そこで気付きがありました。倒した草は伸びるのが遅い。そう、上に覆いかぶさった草により、下の草に太陽があたらず成長しない。更に刈った草よりも倒した草は枯れるのが遅いんです。そして、草が覆いかぶさっていることにより、除草剤できれいに除草した園地よりも土の乾燥を防げているように思います。
まとめ
私が近年憂慮している事は、西日本豪雨のような土砂崩れです。当園は民家の裏山の急傾斜の園地も多いことから、万が一土砂の流出が起こり、民家に流れてしまわないかということです。
更に、この気候によりみかんが栽培出来なくなってしまうのではないかということです。肥料代、消毒代、ガソリン代等経費の高騰が続くなか、みかんの不作が続くと廃業せざるを得ない農家も出てきます。
このような私の不安を和らげる作業の1つが草生栽培だと、今、感じています。草生栽培は土にもミカンにも環境にも良いということが分かりました。
多少手間はかかりますが、愛情をもってミカンを育てていきたいと思います。
手間と愛情をかけた当園のミカンを是非食べてみてください。



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